ブロッコリーBroccoli

ブロッコリー物語Broccoli Story

農家になって初めて自分で担当した作物の1つがブロッコリーでした。ブロッコリーは育ちやすく収穫もしやすいという、初心者でも比較的扱いやすい反面、高温多湿に弱く腐りやすい野菜でもあります。100株植えて50個収穫することは簡単ですが、100株植えて100個収穫する、さらにそれぞれを出来の良いブロッコリーにすることは容易ではありませんでした。農業における試行錯誤の始まりがこのブロッコリーだったのです。

ブロッコリーの苗を畑へ植えています。いつも初心にかえる気持ちになります。
ブロッコリーの苗を畑へ植えています。

今では全国1位のブロッコリーの作付と収量となった江別市ですが、私が農家を始めた当時はまだ発展途上で、良い栽培方法も確立していませんでした。試行錯誤と農家仲間との情報共有を繰り返し、いかに「秀品」、つまり身のよく詰まった形も味も良いブロッコリーを1つでも多く作るか、段々とその栽培方法が確立していきます。

葉っぱの数が増えてきました。土や肥料の状態をよく見てあげます。
葉っぱの数が増えてきました。土や肥料の状態をよく見てあげます。

そうした中で「健全に育ったお野菜は美味しい」ということに気がつきました。
良い水と土、充分な陽の光と栄養を与えてあげて、健康に元気に育ててあげることが私の基本の心構えになりました。ブロッコリーに限らずどの作物に対しても、その作物が健全に育つようにと考えるようになったのです。

収穫は手作業で。しっかりと陽を浴びて、健全に育ってくれたでしょうか?

6月中旬~11月上旬頃までと収穫時期の長いブロッコリーは、その時々の気候条件などに合わせて3〜4品種を作付しています。春の寒い時期には苗を寒さに慣れさせてから植えたり、夏の雨が多い時期は肥料が流れ出てしまうので適宜肥料を追加してあげるなど、それぞれの品種が「健全」に育つように、季節や品種に合わせて手をかけてあげます。

健全に育ったブロッコリー!身がしっかりと詰まっています!

そうして元気に育ったブロッコリーは鮮度の足が早い野菜でもあるので、収穫から出荷までの低温管理も大切です。江別では大規模な集選果場が整備されているので、しっかりと管理されたブロッコリーはスピーディーに市場へと出荷されていきます。今はブロッコリーは市場に出す野菜ですが、直接お客様に手渡しして食べていただくような気持ちで大切に育てています。

“万能選手” ブロッコリーMy Body Feels 'Yummy!'

夏の野菜のイメージがあるブロッコリーですが、もともとは寒い時期の方が旬の野菜です。涼しい時期の方が身の締まりもよく甘いブロッコリーになります。江別では風があり涼しく虫がつきにくいことや、夏でも寒暖差があることで、6月中旬~11月上旬の収穫時期でも美味しいブロッコリーを作っています。全国的にも時期をずらして栽培されていたり海外からの輸入もされていて、通年で安定して流通している比較的馴染みの深い野菜かと思います。

ブロッコリーにはたくさんの種類の栄養素が含まれていていますが、それが茎や葉にも同じように含まれていることはご存知でしょうか?一番メインとして食べられるのはブロッコリーの花蕾(つぼみ)の部分ですが、茎や葉にも同じように栄養素はしっかりと含まれています。
ビタミン群をはじめカリウムやリン、マグネシウムなど普段は摂取しづらいミネラル分も豊富です。しかも茎や葉には食物繊維もたくさん含まれているのです!

茎は固い皮をむいて薄切りにして花蕾部分と一緒に加熱すれば、ホクホクとして、花蕾とはひと味違った味を楽しめます。葉の部分は普通のお野菜と同じように炒め物やスープなど何にでも使う事ができます。

ブロッコリーに含まれる栄養素は水に溶け出しやすかったり熱で壊れやすいものが多いので、加熱時間を短くしたり、お湯で茹でるのではなくレンジで加熱するなどすることが共通のポイントです。ブロッコリーは栄養が豊富なうえに余すところなく使えて、癖が少なくどんなお料理にでも合う万能選手です!

農家 清水はこう食べる!Farmer Shimizu eats like this!

  • 素揚げ

    なんと言っても素揚げが1番!揚げたてのブロッコリーに塩を少々振って熱々のうちに食べます。特に獲れたてのブロッコリーは抜群の美味しさです。

  • アヒージョ

    油との相性のいいブロッコリーはアヒージョにしても美味しいです!おもてなしする時には欠かせません。